お施主様のご要望は、数年暮らしていたヨーロッパの家をイメージし、家の古さを生かしつつ、洗練された素材でつくる上質な空間でした。ほしいものをも意匠・機能ともに満たす縦長いバランスの木製の窓、そしてその窓が切り取る風景、家具を置いてからのバランスなどを緻密に計算しながらプランしました。

また、以前からイタリア系のモダン家具、北欧のビンテージ家具がお好きだったご夫婦は、空間の最低構成要素となる壁や床、窓、照明の大切さを十分にご理解されておりましたので、調度品、そしてご家族の暮らしを引き立てるにふさわしい素材、光を選定しました。
広めのリビングとダイニングには中間にスチール製のガラス戸を設け、インテリアでありながらご家族それぞれの過ごし方を曖昧に区切るツールとしました。
また、断熱や気密にもこだわった上で床暖房を敷き込みましたので、日中の温度を翌朝まで維持することができ、五感へのストレスのない温熱環境になっています。